カワダアユの国

主にファッションやジェンダーについて。

私の身体とファッション

 私は小学生の頃からよく食べる子だったので、同い年の女の子たちよりもしっかりした体つきをしており、そのせいで親から豚呼びされたり、同級生からほんのり“デブ”であることを言葉の裏に匂わせられたりしてきました。また、肌には生まれつきざらざらとした毛孔性苔癬があり、皮膚が薄く荒れやすいのもあって、毛を剃ることがなかなか難しく、それも自身の身体へのコンプレックスを深める要因となっていました。

 当時は『Popteen』をよく読んでいましたが、今思えばそれもよくなかったと思います。その時の『Popteen』は、ギャルマインドや盛りに盛ったファッションで女の子たちの心をエンパワーメントしてくれる反面、過剰なダイエットの記事や、脱毛の広告で溢れていた雑誌でもありました。今は読んでないので、どうなっているのかわかりませんが。

 でも、そんな『Popteen』から私は自分のファッションへのヒントを得ました。記憶が曖昧でいつ頃のどんな記事だったかあまり覚えていないのですが、読者モデルの着まわしに関するもので、そこにはXシルエット(胸部と臀部を強調したシルエットのこと)を服で作っているとの記述がありました。それを読んだ私は「自分がなりたい体型は、無理なダイエットをしなくても、服で叶えられるんだ!」と思ったのです。そこからどのような服が身体を大きく見せてくれるのか、どのような服が身体を華奢に見せてくれるのか、さまざまな雑誌やコレクション、スナップから吸収していきました。

 たくさんのルックを見てきた今となっては、その時より自由にファッションを楽しめています。肩が多少ガンダムに見えようが、私はパフスリーブを着るし(というかその膨らみを楽しむ服ですよね)、背が足りなくて不格好になるかもしれないけど、あえて大きなコートを羽織って自らの身体とのコントラストを覗かせたりもします。今の私のファッションでは、可愛くあることも、かっこよくあることも、綺麗であることも、スタイルがよく見えることも、必要な要素ではありません。私の少し繊細で壊れやすいメンタルを守り、高めてくれれば、他人からどう見えるかなんてどうでもいいのです。というか、服なんて結局布でしかないですから。勝手に読み解いちゃう人がいるだけで、ただのモノでしかないので。もっと気楽に楽しめる人が増えればいいのになと、心から思います。